90人目の受け入れ。行き場のない人の最後の「ただいま」を(女性寮を含めると104人目)
先日、104人目となる出所者の受け入れをしました。

彼は出所後、協力雇用主のもとで働くことになっていましたが、出社してわずか1週間で姿を消してしまいました。いわゆる「飛んだ」というやつです。
そんな事情があったりで、「受け入れたくない」と、どこの施設も手を引いている様子。
最終的に東京保護観察所を通じて、生き直しに話がきました。
記録を見ると、すでに4つの更生保護施設が「帰住不可」と判断していました。
正直、不安はありました。
でも「行くところがない」という言葉に、僕はやっぱり弱い。
今回も、迷いながらも引き受けました。
この仕事は、「いいことしてる自分、えらいな」と思いたい人には向いていません。
むしろ、裏切られたり、突然悪者扱いされたり、夜中に電話が鳴ったり、警察に呼ばれたり…。
泥臭いことの連続です。
きれいごとじゃ、続けられない。
うまくいったところだけ切り取って「支援してます」と言う人もいるけど、そういう人ほど、長くは続けられない。
きっと、距離感の持ち方が難しいんだと思うんです。
「深く関わりすぎず、でも目はそらさない」
そんなスタンスが、ちょうどいいのかもしれません。
それでも。
だからこそ。
卒業した仲間たちが、今も頑張っている姿を見ると、「自分も、まだまだやらなきゃな」と思えるんです。
彼らの存在が、自分の原動力になっている。
ほかの仕事では味わえない、重くて、あたたかいやりがいです。
男性の施設では、これまでで84人が巣立っていきました。
100人の巣立ちを見届けるという節目に向けて、自分にできることを、これからも泥臭く、積み重ねていきます。
受刑者とのやり取りも!
